重賞データcheck
 夏競馬もいよいよ大詰め。今週はサマー2000シリーズ最終戦の新潟記念、今年から重賞となった2歳戦の中京2歳Sが行われる。過去のデータからこれらの重賞レースの傾向を分析する。
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第61回 新潟記念(G3)

8月31日(日) 新潟競馬場 芝2000m

 2012年より夏の新潟競馬を締めくくる一戦となった新潟記念。G1に近い時期に行われるため、夏のハンデ重賞ながらも毎年の出走馬から何頭かが、秋のG1に駒を進めていた。その筆頭格が2018年の優勝馬・ブラストワンピースで、次走・菊花賞こそ4着に終わったものの、グランプリ・有馬記念で勝利を手にした。
 そんな新潟記念が、今年からは別定戦に。格こそG3だが位置づけは札幌記念に近づいた印象で、重要度がかなり増してきた。特に天皇賞(秋)に向けては、直線が長い左回りの2000mという共通点があり、新潟記念をステップに本番へ向かう馬も増えそうだ。別定戦になったことで傾向が変わる可能性があることも頭に入れつつ、過去10年の結果をみてみたい。
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チェック1ハンデ戦時代は荒れ模様

 別定戦に替わったことでもっとも影響を受けそうなのは人気別成績や配当だが、ハンデ戦時代の過去10年は荒れ模様。2番人気こそ4勝も、1番人気は1勝止まりで、3〜5番人気は勝利がなかった。また、中位人気はもちろん2桁人気馬の好走も多かったレースだ。
 配当面では年によって波乱度にはムラがあり、3連単3万円前後に収まることもあるが、2021〜23年は26万馬券、70万馬券、22万馬券の波乱。昨年は4万円台とこのレースとしては落ち着いたが、勝ち馬は8番人気だった。別定になって傾向にどんな変化が出るかは安易に予想できないものの、ほぼ同時期の別定G2・札幌記念でも今年(10→2→13番人気)のように荒れる年はあり、別定に替わって堅く収まると思い込むのは避けたい
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【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 1-2-1-6 10.0% 30.0% 40.0%
2 4-0-1-5 40.0% 40.0% 50.0%
3 0-3-1-6 0.0% 30.0% 40.0%
4 0-0-0-10 0.0% 0.0% 0.0%
5 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
6 2-2-0-6 20.0% 40.0% 40.0%
7 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
8 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
9 0-2-1-7 0.0% 20.0% 30.0%
10 1-0-1-8 10.0% 10.0% 20.0%
11〜 1-0-3-58 1.6% 1.6% 6.5%
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
人気 15年 16年 17年 18年 19年 20年 21年 22年 23年 24年
1着人気 6 2 6 1 2 2 12 10 2 8
2着人気 9 1 1 6 6 3 3 9 7 3
3着人気 13 9 12 13 8 5 2 3 10 1
単勝 910円 610円 1,200円 180円 630円 500円 4,280円 2,200円 500円 2,600円
馬連 6,810円 1,990円 2,580円 1,250円 4,580円 1,890円 10,940円 28,250円 6,240円 5,450円
馬単 12,150円 3,700円 5,810円 1,590円 8,450円 3,330円 34,410円 57,930円 9,210円 13,950円
3連複 81,140円 12,810円 27,670円 25,300円 21,230円 6,770円 28,380円 91,350円 61,230円 4,530円
3連単 384,550円 59,970円 132,650円 57,170円 105,090円 32,940円 264,560円 709,120円 221,290円 44,690円

チェック24、5歳馬が好成績、穴の連対候補は5歳以上

 牡・セン馬の年齢別では、好走馬数最多の5歳馬が【2.4.3.31】複勝率22.5%。4歳馬は馬券に絡んだ頭数こそ5歳馬より少ないものの、【2.3.2.16】複勝率30.4%など好走確率で5歳馬を上回ってきている。ただ、4歳の6番人気以下で連対したのは1頭のみ。穴の連対馬は5歳以上から多く出ており、特に7歳以上は3着以内の好走馬5頭すべて6番人気以下だった。牝馬の好走は少ないが、昨年はシンリョクカが優勝しており、G1好走歴を持つような馬が出走してくれば警戒したい。
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【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率 6番人気以下
牡・セン 3 2-0-1-6 22.2% 22.2% 33.3% 0-0-0-3
4 2-3-2-16 8.7% 21.7% 30.4% 0-1-2-5
5 2-4-3-31 5.0% 15.0% 22.5% 1-2-1-23
6 2-1-1-27 6.5% 9.7% 12.9% 2-0-1-21
7〜 1-2-2-33 2.6% 7.9% 13.2% 1-2-2-30
牝馬 1-0-1-19 4.8% 4.8% 9.5% 1-0-0-14

チェック3前走G1・G2組に注目か

 別定戦になったことにより出走が増えてきそうなのが、前走でG1に出走して休養明けになる馬。ハンデ戦だった昨年まででも【4.2.0.17】で勝率17.4%・連対率26.1%は前走クラス別トップの成績だ。G2組は【0.1.0.12】とややサンプル不足だが、いずれにしても前走で格上のG1・G2に出走していた馬にはこれまで以上に注目したい。前走人気や前走着順は気にならず、このレースで人気になっていなくても要注意。古馬で3着以内に入った5頭はいずれも左回りの重賞での好走実績があった。
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【前走G1・G2からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走レース 前走人気 前走着順
2018 ブラストワンピース 1 1 日本ダービー 2 5
メートルダール 6 2 大阪杯 14 10
2019 ユーキャンスマイル 2 1 天皇賞(春) 3 5
2022 カラテ 10 1 安田記念 14 16
ユーキャンスマイル 9 2 天皇賞(春) 13 13
2023 ノッキングポイント 2 1 日本ダービー 15 5
ユーキャンスマイル 7 2 目黒記念 11 7

チェック4前走G3組は6着以内馬を

 前走クラス別で好走数が多いのはG3組で【5.5.7.69】(前走取消・除外も含む)。表に挙げたのは、そのG3組の好走馬17頭だ。ほとんどは前走で6着以内に入っているため、まずは「前走6着以内」を目安にしたい。前走7着以下(中止含む)から好走した馬は、5頭中3頭が前走3番人気以内の支持を受けていた。前走G3で着順が悪く人気もなかったような馬は、苦戦を強いられるケースが多い。
【前走G3からの好走馬(過去10年)】
馬名 人気 着順 前走レース 前走人気 前走着順
15 パッションダンス 6 1 小倉記念 4 6
マイネルミラノ 9 2 函館記念 2 8
16 アルバートドック 1 2 七夕賞 3 1
ロンギングダンサー 9 3 新潟大賞典 13 6
17 タツゴウゲキ 6 1 小倉記念 4 1
アストラエンブレム 1 2 エプソムC 1 2
カフジプリンス 12 3 小倉記念 9 5
19 カデナ 8 3 小倉記念 6 2
20 ブラヴァス 2 1 七夕賞 7 2
ジナンボー 3 2 七夕賞 1 9
21 マイネルファンロン 12 1 函館記念 7 14
トーセンスーリヤ 3 2 函館記念 2 1
クラヴェル 2 3 中京記念 5 3
22 フェーングロッテン 3 3 ラジオNIKKEI 3 1
23 インプレス 10 3 鳴尾記念 12 13
24 シンリョクカ 8 1 福島牝馬S 3
キングズパレス 1 3 七夕賞 1 2

チェック5好走時1着の多い「馬ナリ」、勝ち切れない「一杯」

 パソコン用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」で、過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、脚色別で多くの好走馬を出していたのは「一杯(末一杯等も含む、以下同)」の9頭と、「馬ナリ」16頭だった。このうち「一杯」は【0.4.5.39】と、9頭も馬券に絡んでいながら優勝馬はおらず、2着よりも3着が多い。対して馬ナリは【8.4.4.65】と、16頭中8頭が1着を勝ち取っている。3連単や馬単の1着候補選びは、まず「馬ナリ」の馬から考えたい。なお、追い切りコース別では美浦南W組の好走が多く、栗東では坂路がCWより優勢だ。

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【追い切り脚色、主なコース別成績(過去10年)】
脚色・コース 成績 勝率 連対率 複勝率
一杯 0-4-5-39 0.0% 8.3% 18.8%
強目 2-2-1-27 6.3% 12.5% 15.6%
馬ナリ 8-4-4-65 9.9% 14.8% 19.8%
美浦南坂路 0-2-0-13 0.0% 13.3% 13.3%
美浦南W 5-4-2-40 9.8% 17.6% 21.6%
栗東坂路 3-2-5-37 6.4% 10.6% 21.3%
栗東CW 1-1-2-28 3.1% 6.3% 12.5%