重賞データcheck
 今週は芝中距離戦の大一番、天皇賞・秋。3歳からも有力馬が出走し混戦模様。過去のデータからこの重賞レースの傾向を分析する。
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第172回 天皇賞・秋(G1)

11月2日(日) 東京競馬場 芝2000m

 秋の古馬頂上決戦の第1戦・天皇賞(秋)。ここからジャパンC、そして有馬記念へと続く、俗に言う「秋の古馬三冠」第一関門となる。これまで2000年のテイエムオペラオー、04年のゼンノロブロイの2頭が、この3連戦3連勝を達成。ほかにも17年のキタサンブラック、19〜20年のアーモンドアイ、22〜23年のイクイノックス、そして昨年のドウデュースなど、近年だけを見ても数多くの名馬が優勝馬に名を連ねている。今年も実力馬が揃ったが、どの馬が栄光の盾を手にするのか、過去の傾向を見てみよう。
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チェック1単勝は380円以下

 過去10年、1番人気は複勝率80.0%の好成績。昨年こそ馬券圏外も、馬券に絡んだ8回中7回が1着で勝率が70.0%と非常に高い。他の優勝馬も2、3番人気から出ており、単勝最高配当は昨年のドウデュース(2番人気)の380円。1着候補は人気馬から探すのが妥当だ。
 ただ、1〜3番人気は【10.3.3.14】と2〜3着が少ないため、中位人気勢にも食い込むチャンスがある。特に目立つのは複勝率50.0%の6番人気。また、昨年は2→9→8番人気で3連単39万馬券と、秋の天皇賞としては久々の高配当となった。ここ3年はいずれも6番人気以下の馬が2着に入っているため、今年も穴っぽい馬が連対してくる可能性は十分にある。
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【人気別成績(過去10年)】
人気 成績 勝率 連対率 複勝率
1 7-1-0-2 70.0% 80.0% 80.0%
2 2-1-2-5 20.0% 30.0% 50.0%
3 1-1-1-7 10.0% 20.0% 30.0%
4 0-1-1-8 0.0% 10.0% 20.0%
5 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
6 0-1-4-5 0.0% 10.0% 50.0%
7 0-2-0-8 0.0% 20.0% 20.0%
8 0-0-1-9 0.0% 0.0% 10.0%
9 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
10 0-1-0-9 0.0% 10.0% 10.0%
11〜 0-0-1-47 0.0% 0.0% 2.1%
【上位馬の人気と主な配当(過去10年)】
15 16 17 18 19 20 21 22 23 24
1着人気 1 1 1 2 1 1 3 1 1 2
2着人気 10 7 2 4 3 5 1 7 6 9
3着人気 6 6 13 6 6 2 2 4 3 8
単勝 340円 360円 310円 310円 160円 140円 340円 260円 130円 380円
馬連 7,340円 2,420円 900円 1,520円 920円 970円 390円 3,330円 1,330円 9,660円
馬単 10,390円 3,700円 1,660円 2,370円 1,170円 1,180円 850円 4,930円 1,500円 13,560円
3連複 24,850円 7,430円 15,290円 6,420円 3,210円 960円 350円 4,400円 2,180円 102,180円
3連単 109,310円 32,400円 55,320円 24,230円 8,860円 4,130円 2,040円 23,370円 6,960円 397,100円

チェック24、5歳馬が中心、牝馬なら牡馬相手のG1優勝馬

 牡・セン馬の年齢別では、5歳馬が最多の4勝をマーク。ただ、複勝率は4歳馬が上回っており、この4、5歳馬が中心になる。4歳の牡・セン馬は、馬券に絡んだ13頭中8頭が6番人気以下で、昨年の2、3着(9、8番人気)も4歳馬。逆に5歳は好走馬9頭中7頭が5番人気以内だ。
 一方、牝馬は全体で複勝率33.3%と、牡・セン馬を大きく上回る。馬券に絡んだ馬はアーモンドアイとアエロリット、クロノジェネシス、グランアレグリアと牡馬相手のG1勝ち、古牡馬相手のG1連対、その双方の実績を持つ馬ばかりだ。
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【性齢別成績(過去10年)】
性別 年齢 成績 勝率 連対率 複勝率 6番人気以下 同複勝率
牡・セン 3 2-0-1-6 22.2% 22.2% 33.3% 0-0-0-3 0.0%
4 2-7-4-29 4.8% 21.4% 31.0% 0-4-4-16 33.3%
5 4-3-2-31 10.0% 17.5% 22.5% 0-1-1-25 7.4%
6 0-0-0-26 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-22 0.0%
7〜 0-0-0-16 0.0% 0.0% 0.0% 0-0-0-16 0.0%
8-10-7-108 6.0% 13.5% 18.8% 0-5-5-82 10.9%
牝馬 3 0-0-0-1 0.0% 0.0% 0.0% 該当なし
4 1-0-1-5 14.3% 14.3% 28.6% 0-0-0-2 0.0%
5 1-0-2-4 14.3% 14.3% 42.9% 0-0-1-3 25.0%
2-0-3-10 13.3% 13.3% 33.3% 0-0-1-5 16.7%

チェック3前走G1ならG1優勝実績のある4〜5歳馬

 前走クラス別では国内G1組が【7.7.4.19】複勝率48.6%と非常に安定しており、同G2組は【3.3.6.80】同13.0%と確率こそ低いが好走馬自体は多い。G3以下や、海外組はすべて馬券圏外に敗退している。
 このうち、前走で国内G1に出走していた好走馬は表の18頭で、特に2017年以降に好走馬が多い。この18頭中17頭はG1連対実績馬で、そのうち15頭はG1優勝馬。残る3頭のうち2頭は2022年で、まだG1経験の少ない3歳馬。もう1頭の2017年レインボーラインは、同じ前走G1組でG1勝ちのあった2頭に先着を許す3着だった。
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【前走G1からの好走馬(過去10年)】
馬名 年齢 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 主なG1実績
16 リアルスティール 4 7 2 安田記念 2 11 ドバイターフ
17 キタサンブラック 5 1 1 宝塚記念 1 9 ジャパンC
サトノクラウン 5 2 2 宝塚記念 3 1 宝塚記念
レインボーライン 4 13 3 宝塚記念 7 5 菊花賞2着
19 アーモンドアイ 4 1 1 安田記念 1 3 ジャパンC
ダノンプレミアム 4 3 2 安田記念 2 16 朝日杯FS
20 アーモンドアイ 5 1 1 安田記念 1 2 ジャパンC
フィエールマン 5 5 2 天皇賞(春) 1 1 天皇賞(春)
クロノジェネシス 4 2 3 宝塚記念 2 1 宝塚記念
21 エフフォーリア 3 3 1 ダービー 1 2 皐月賞
コントレイル 4 1 2 大阪杯 1 3 ダービー
グランアレグリア 5 2 3 安田記念 1 2 安田記念
22 イクイノックス 3 1 1 ダービー 2 2 ダービー2着
ダノンベルーガ 3 4 3 ダービー 1 4 ダービー4着
23 イクイノックス 4 1 1 宝塚記念 1 1 ドバイシーマC
ジャスティンパレス 4 6 2 宝塚記念 2 3 天皇賞(春)
24 ドウデュース 5 2 1 宝塚記念 1 6 ダービー
タスティエーラ 4 9 2 天皇賞(春) 4 7 ダービー

チェック4前走G2組もG1好走実績ほぼ必須

 前走G2からの好走馬は表の12頭で、4〜5歳馬ばかりだ。各馬のG1実績をみると、昨年のホウオウビスケッツこそ馬券圏内の実績はなかったが、その他の11頭は悪くとも3着以内、10頭にはG1連対の経験があった。マイルCSでの3着が最高だったサングレーザーも、同レースでは0.1秒差という僅差。前走G2組でもG1好走実績はほぼ必須だ。
【前走G1以外からの好走馬(過去10年)】
馬名 年齢 人気 着順 前走 前走人気 前走着順 G1実績
15 ラブリーデイ 5 1 1 京都大賞典 1 1 宝塚記念
ステファノス 4 10 2 毎日王冠 6 7 QE2世C2着
イスラボニータ 4 6 3 毎日王冠 7 3 皐月賞
16 モーリス 5 1 1 札幌記念 1 2 安田記念
ステファノス 5 6 3 毎日王冠 2 5 天皇賞(秋)2着
18 レイデオロ 4 2 1 オールカマー 1 1 ダービー
サングレーザー 4 4 2 札幌記念 2 1 マイルCS3着
キセキ 4 6 3 毎日王冠 6 3 菊花賞
19 アエロリット 5 6 3 毎日王冠 2 2 NHKマイルC
22 パンサラッサ 5 7 2 札幌記念 2 2 ドバイターフ
23 プログノーシス 5 3 3 札幌記念 2 1 QE2世C2着
24 ホウオウビスケッツ 4 8 3 毎日王冠 4 2 (ダービー6着)

チェック5追い切り時計で明暗がくっきり分かれる

 パソコン用調教分析ソフト「競馬道調教マスター」で過去10年の出走馬の追い切りを分析すると、好走馬の大半は栗東のCWか坂路、美浦の南Wコースで追い切られていた。そしてこれらはすべて、追い切り時計で明暗がくっきり分かれた。
 このうち栗東CWではラスト1ハロン12秒0以下が狙いで、複勝率は30.0%。栗東坂路は全馬の複勝率が11.3%と低く、中でも4ハロンの時計が52秒8以下だった馬は1頭しか好走していない。遅い分には速いよりも良い点に注意。そして好走馬の多い美浦の南W組はラスト1ハロン13秒0以下に注目だが、そもそも13秒1以上を要する馬が少なく、時計は気にせず狙っても良いかもしれない。
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【主な追い切りコース別成績(過去10年)】
コース タイム 成績 勝率 連対率 複勝率
栗東CW 1F 〜12.0 1-2-3-14 5.0% 15.0% 30.0%
1F 12.1〜 1-0-1-10 8.3% 8.3% 16.7%
2-2-4-24 6.3% 12.5% 25.0%
栗東坂路 4F 〜52.8 0-1-0-17 0.0% 5.6% 5.6%
4F 52.9〜53.8 0-2-0-16 0.0% 11.1% 11.1%
4F 53.9〜 0-2-1-14 0.0% 11.8% 17.6%
0-5-1-47 0.0% 9.4% 11.3%
美浦南W 1F 〜12.0 3-1-2-13 15.8% 21.1% 31.6%
1F 12.1〜13.0 4-2-3-15 16.7% 25.0% 37.5%
1F 13.1〜 0-0-0-5 0.0% 0.0% 0.0%
7-3-5-33 14.6% 20.8% 31.3%