新馬戦のシステムが変わり、その影響が取りざたされた今年の2歳戦だが、1開催が終わったところで振り返ってみる限り、システムそのものが及ぼした影響はそれほどなかったようである。
開催後半の新馬戦出走馬が確保できるのか、といった懸念もあったが、極端な少頭数や不成立はなく、最終的に3場で220頭がデビューすることとなった。ちなみに昨年同時期のデビュー数は189頭であり、16%ほど増えたことになる。レース数はひとつ増えた(27→28)が、競争がより厳しくなったことは間違いない。
もうひとつ、特徴を見るために人気馬の成績を見てみよう。
昨年のスタート開催は27レース組まれた2歳戦のうち、1番人気が10勝・2着10回、2番人気が8勝・2着8回であった。1、2番人気で3分の2を占めたことになる。
一方、今年は1番人気が13勝・2着5回、2番人気が3勝・2着3回。1番人気が勝ち切る度合いが増えた一方で、人気馬の相対的地位そのものは多少減退したようである。
1番人気に関しては、「天国か地獄か」という傾向も見られる。新馬を1番人気で負けた馬は6頭が未勝利戦に進んだのだが、その成績は 【1.0.1.4】で、「折り返しの未勝利」をモノにしたのはキョウワスプレンダだけだった。一方でヌチグスイやマイネルマクロスは深いハマリに入っている。
この時期の新馬人気はPOG人気とほぼリンクしていると思われるが、それだけ早期デビュータイプの選択には注意が必要だということだ。目先の700ポイントにつられて上位で指名し、しかもそれがハズレだったら目もあてられない。
一方、種牡馬別成績に目を転じてみると、来年のPOG作戦に参考となる部分がかなりある。
新馬・未勝利をトータルした勝ち頭はサンデーサイレンス。8頭がのべ10走し、5勝を上げた。
出走数が多いだけではない。12走以上の種牡馬が3頭いるが、それらは全て2勝か1勝であり、やはりSS産駒のアベレージの高さが目につく。
フィーユドゥレーヴあたりは「勝って当然」のクチだが、スケールを疑問視されていたプリモスターや、調教がさっぱりだったマイネルエクストラなどが勝っており、やはりSS産駒の底力というのはたいしたものだ。ドラフト下位における「残ったSSの漁りあい」には疑問を呈してきたのだが、目の前にデビューが見えている馬については考慮する価値があるのかもしれない。第二のサルトリアをツモってしまう可能性もあるが……。
SS以外で2勝以上を上げた種牡馬はダンスインザダーク、サクラバクシンオー、スターオブコジーン、スペシャルウィークの4頭。
ダンスインザダーク産駒の勝ち馬は母の父がMiswakiとStar
de Naskra。ダンスインザダークはスピード血統との配合でないと走らない傾向があるが、この2頭は明らかにアリなゾーンの馬だろう。ミスワキの方はザッツザプレンティの活躍もあって今後定番人気配合となっていく可能性が高い。というか、今年もダンスインザダーク×ベルカーロッタあたりはけっこうな人気であった。
2歳戦限定という点で、注目したいのはサクラバクシンオーとスターオブコジーンの2頭。
サクラバクシンオー産駒は新馬戦での成績をとると、綺麗に時期とリンクした結果が出る。夏デビューの馬は20%の勝率・40%の連対率が期待できるが、秋には15%弱と30%に下がり、年明けは10%強と15%あたりに落ち着く。昨年は遅いデビューのバクシンオー産駒がけっこう活躍したが、早期デビュー馬をドラフト下位で指名するほうがローリスクだ。
スターオブコジーンは、年齢別勝率で2歳時がトップであり、しかも1走あたり賞金で2歳時が3歳時を5割ほど上回るという早熟性を持っている。
ハリーズコメットを赤本の産地馬体検査ページで強調できたのも、この前提があったからこそ。もちろんベタ買いできる種牡馬ではないが、素材の良い馬がいた場合にこの父を理由に嫌う必要はない。
最後にスペシャルウィークだが、まだ3頭しかデビューしていない段階なので結論は出せない。しかし、この時期に2頭勝ち馬を出したのは今後の種牡馬レースで有利に働くはずで、最低でもダンスインザダークなみの地位を確保していくのではないだろうか。
現時点でのデビュー馬を見る限り、母の父にスピード色の強い馬がいたほうがPOGに向くようであり、その意味でもダンスインザダークとは近い。もし、この傾向が続くようならサンデーサイレンスとは別な配合観で産駒を見る必要があり、そこにPOG戦略が発生しそうだ。